著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

宮城で戦った紀州人・竹田利秋の気骨…組み合わせ抽選会の光景で全国を意識

公開日: 更新日:

■「川をウヅグスクスッペナイン」

 仙台の南を流れる白石川にこんな看板がある。「川をウヅグスクスッペナイン」(川をきれいにしましょう)──紀州の男に東北人は異星人に見えただろう。新幹線が上野に届くのは20年後のこと。驚き、孤独との闘い、そして鬼になった。

 監督に就任の3年後に東北は7年ぶりに甲子園出場を果たし、初戦で佐賀工に6ー8で敗れた。結果はともかく、竹田は晴れがましい組み合わせ抽選会の光景が気になった。関東、関西勢がウキウキ騒がしかったのに対し、東北や北海道の子供たちは押し黙ってきょろきょろしていた。故郷に錦を飾った竹田も、顔を見知った関西の関係者に、どこか上からの視線を感じた……そこで肝が据わったのだ。

 竹田は和歌山工高時代に選抜大会に出場している。浪商の辞退に伴う初出場だが、和歌山といえば戦前に全国制覇した和歌山中、海草中を筆頭に、準優勝2度の桐蔭、新宮、海南、和歌山商がひしめく激戦区。春夏連覇(79年)で旋風を起こす箕島がそろそろ兆しを見せ、監督の尾藤公は竹田の2学年後輩だった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  3. 3

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 4

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  5. 5

    マイナ保険証「期限切れ」迫る1580万件…不親切な「電子証明書5年更新」で資格無効多発の恐れ

  1. 6

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  2. 7

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  3. 8

    Mrs.GREEN APPLEのアイドル化が止まらない…熱愛報道と俳優業加速で新旧ファンが対立も

  4. 9

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  5. 10

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差