巨人期待の井上温大は「期末テスト」落第か…深刻左腕不足も“かき集め補強”頼みの様相
巨人の高卒3年目左腕・井上温大(21)のプロ初勝利はまたもお預けとなった。
8日のDeNA戦に先発。三回までは無安打投球だったが、打順が2回り目に入った四回につかまり、4回途中3安打4失点で降板となった。
前橋商から2019年のドラフト4位で入団。昨年5月に左肘頭スクリュー挿入術を受けて今季復帰した有望株で、ここまで3度の中継ぎ登板を経て3度目の先発マウンドだった。
巨人の左腕不足は深刻だ。原監督は今年6月、「左のセットアッパーが欲しい」と嘆いたが、足りないのは中継ぎだけではない。先発陣を見渡してもフル回転したのはメルセデスただひとり。昨季11勝を挙げた高橋の不振もあって、先発もリリーフも慢性的な「左腕不足」にあえぐ。井上をはじめとする若手が台頭の兆しを見せるか否かの見極めは、オフの補強のための重要な参考資料になる。この日が“期末テスト”の位置付けだったが、先発した3試合でいずれも五回までもたなかった。逆転勝ちを収めただけに原監督は「着実に階段を上っている」と口調は穏やかだったが、「三回までは完璧。四回(の先頭打者に)ツーナッシングから打たれて動揺したんじゃないか。プロの世界で勝つのは簡単じゃない」とチクリとやったから“落第点”かもしれない。「影響があるのはドラフトとFAでしょう」と、さる球界関係者がこう言った。