最下位目前の巨人に原監督vsフロント“ケンカ別れ”の火種 補強か若手育成かで衝突寸前!
5位・巨人に最下位の屈辱が迫っている。
30日の首位ヤクルト戦は延長十一回の末に敗れ、借金は今季ワーストで4年ぶりの8となった。最下位・中日とは1.5ゲーム差。原辰徳監督(64)も「チャンスをつくっても打てない。借金8? みんなで受け止めてはね返していくだけ」と嘆くしかなかった。
何から手をつけたらいいか、分からない状態だ。まずはチーム打率.242(リーグ5位)の貧打である。16~21日の6連敗中は計9得点で1試合平均は1.5得点。7月には72イニング連続適時打なし、26イニング連続無得点といった決定力不足に泣かされた。昨季まで2年連続2冠に輝いた主砲の岡本和真にしても、11日の中日戦から4番を外れたままとなっている。
投手陣は12球団最悪のチーム防御率3.88とさらに苦しい。最大11あった貯金はとっくになくなり、借金は8に膨れ上がった。
セ・リーグで2ケタ貯金から借金に陥ったのは、昨年の巨人以来20度目。巨人は2006年(最多貯金14→同借金14=4位)、昨年(同15→2=3位)で今年が3度目である。
原監督は編成面の「全権」を持つ。補強も思うがままのはずだが、前半戦の報告を行った際、山口寿一オーナーが「今シーズンは若い、新しい戦力を発掘して育成しながらペナントレースを戦おうという方針でやっていて、依然として曲げずに一貫させている。その方針は今後も変えずに新しい戦力の育成、若手を伸ばすというところに力を尽くしていきたい」と明言したから事情は複雑だ。
■FA市場は西武の森ら活況の様相
球界関係者がこう言う。
「育成だけでは勝てないと、原監督は今オフも補強との両立を希望しているそうです。惨敗した年のオフ、原監督は決まって補強に走ってきた。昨年はFA市場が不作だったから手を挙げなかっただけ。今オフは野手では西武・森友哉、楽天・浅村栄斗、広島・西川龍馬、ロッテ・中村奨吾ら主力級がズラリ。投手も阪神・西勇輝、同・岩崎優、中日・松葉貴大らがFA市場に出る可能性がある。そもそも、原監督は若手育成のために自動的にポジションを与えるような起用をよしとしません」
この関係者が続ける。
「依然として正捕手が決まっていないこともあり、『打てる捕手』の森は垂涎だし、貧打線にあって浅村や西川も喉から手が出るほど欲しい。不足している左投手はもっと欲しい。原監督は大物を補強した上で、若手と競争させるという、これまで通りのやり方を貫きたい。巨人はすでに来季の助っ人補強のため、海外スカウトがメキシコへ飛んでいるそうです。今季加入したウォーカーのように、守れなくても打撃と性格はいい、といった“格安の掘り出し物”を発掘するためです。球団が育成を掲げた今季だって、支配下の外国人が9人とあふれ返っている。もちろん助っ人は“別腹”ということです」