阪神監督人事の暗闘…15年ぶり岡田再登板は「阪急主導」、球団の「平田昇格案」は潰された

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今岡、藤川、鳥谷の3氏は入閣内定

 実際、来季の「第2次岡田内閣」には今岡、藤川、鳥谷の3氏の入閣が内定しているという。古株の球団OBの話。

「この3人は言わずと知れた将来の監督候補。球団のスペシャルアシスタントを務める藤川はまだしも、今岡は二軍コーチ時代の17年オフ、かつての盟友であるロッテの井口監督就任時に阪神からのコーチ契約の延長オファーを断り、ロッテの二軍監督に就任。鳥谷も19年、球団からの引退勧告を拒否し、ロッテへ移籍した。阪神との間にしこりがあることは確か。

しかし、親会社は元スター選手で人気、知名度があり、将来の監督候補である今岡と鳥谷に指導者として戻ってきてもらいたい。監督、コーチとして同じ釜の飯を食った岡田氏が監督になり、コーチ就任を打診されれば、藤川はもちろん、今岡、鳥谷も首を縦に振らざるを得ない。実際、鳥谷は周囲に、『岡田さんが監督をやるなら、コーチとして戻りたい』と話しているそうですから」

 05年優勝監督がチームを率い、当時の主力が指導者として再びタテジマのユニホームに袖を通す──。阪神は05年以降、17年間もリーグ優勝から遠ざかっている。V奪回を待ち望むファンにとっては朗報といえるだろうが、かといって、岡田再登板がスンナリ決まったわけではない。前出の古株OBが言う。

「球団内では藤川氏を次期監督に推す声が出ていたし、フロントは最終的に『平田二軍監督の昇格』を藤原オーナーと阪急阪神HDに具申した。二軍監督には、かつて阪神で監督を務めた野村克也氏の子息である野村克則二軍バッテリーコーチの就任を計画していたそうです。ヤクルトが野村氏の教え子である高津監督でリーグ連覇。阪神も野村イズムによって常勝チームをつくると同時に、フロント主導の球団運営を目指したかったのです」

■球団内に残る“岡田アレルギー”

 岡田氏は編成や育成に一家言を持っている。フロントにとってはいわば、「口うるさい」監督といっていい。

「前回の監督就任時も、コーチ人事や補強についてフロントとやりあうことがあった。岡田氏に干され、クビを切られたコーチも少なくない。当時を知るフロントは今も残っていて、ときに独善的な行動をとる“岡田監督”に対し、アレルギーを持つ人間も少なくない。彼らは岡田再登板を阻止したかった。そこでフロントがコントロールしやすい平田で一本化したものの、最終的に球団の『平田昇格案』は親会社に却下されました。1月31日に矢野監督が退任を表明して以降、十分な監督の選定期間があったにもかかわらず、岡田監督の決定は今月半ばごろまでズレ込んだウラでは、岡田派と平田派の暗闘があったのです」(前出の古株OB)

 今回の岡田再登板はつまり、「阪急主導」。これまで阪急側が球団の監督人事に直接関与したケースはないといわれている。果たして来季、フロントと現場は一体となってチーム改革を進めることができるのか。来季の岡田阪神、波乱含みの船出となりそうである。

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