U18日本代表で打球の飛距離がズバぬけていたのは高松商・浅野翔吾だった
■不審者と間違われないか
お目当ては浅野翔吾(高松商)、黒田義信、野田海人(ともに九州国際大付)、松尾汐恩、海老根優大(ともに大阪桐蔭)の5人。垣根に顔を突っ込んで、不審者と間違えられないかヒヤヒヤしながら彼らのフリー打撃をチェックしたさ。
5人の中で、打球の飛距離がズバぬけていたのは浅野だった。170センチ、86キロ。他の4人と比べても体は小さいが、中には柵越えもあった。4番を打つ進学予定の内海優太(広陵)よりも、打球を遠くまで飛ばしていた。
筋力トレーニングによってある程度、パワーはつくとはいえ、打球を遠くに飛ばす能力は、ある意味、天性のもの。だからこそ部長も、ドラフト候補の高校生野手のパワーをチェックしたいと言ったのだろう。
子細を部長に電話で報告すると、「分かった。ごくろうさん」という返事。不審者と間違われそうになりながらスパイみたいなマネをしなくたって、フロリダに行かせてくれれば、じっくりとパワーをチェックすることもできるだろう。どうせならアメリカに行かせてくれればいいじゃないスかと言うと、「おまえをフロリダに行かせたら、足を運ぶのはグラウンドじゃなく、ゴルフ場だろ。円安だし、球団にそんな余裕はねーからな」。
ある意味、図星だから言い返すこともできなかったね(苦笑)。
(プロ野球覆面スカウト)