ソフトB松田“円満退団”の舞台裏 一軍でのセレモニー固辞、二軍最終戦前日に胴上げの理由
どこかの誰かに聞かせてやりたい話である。
17年間在籍したソフトバンクを退団し、他球団への移籍を目指す松田宣浩(39)。今季はプロ入り後、自身最少43試合の出場にとどまり、打率.204。それでも松田自身は「チャンスをもらえただけでもありがたい」と起用法に納得し、その上で出場機会を求めて退団となった。
球団も本人も納得済みの“円満離婚”。1日には、筑後の二軍戦後にセレモニーが行われ、小久保二軍監督、工藤前監督から花束を手渡されると、ナインによる胴上げで宙を舞った。
球団OBが「本来は一軍で盛大なセレモニーを行う予定もあった」と、舞台裏を明かす。
「ソフトバンクにとって、松田は功労者の大ベテラン。当初、球団は一軍で華々しく送り出してやろうと考えていたが、当の松田が『優勝争いをしている一軍に迷惑がかかる』と、これを拒否。ならば、二軍最終戦の10月2日に……と本人に持ちかけたら、『二軍には二軍のセレモニーがあるでしょう。僕個人のことでそれを邪魔したくない』と固辞され、最終戦前日に行うことになった。球団もせめて、その日の二軍戦だけはペイペイドームで……と伝えたら『それだと相手の中日の迷惑ですよ。福岡で試合した翌日に最終戦の筑後に移動だとバタバタでしょう』と、譲らなかった」
中日・福留、阪神・糸井、ヤクルトの内川・嶋・坂口ら、盛大な引退セレモニーが続いたが、それらはいずれも球団が彼らの功績に報いたもの。自分からねだるものではない、ということだ。