株式会社AIRECサービス社長 南竜次(3)委託先に投じる年1500万円の「育成費」
株式会社AIRECサービス社長 南竜次(50歳・日本ハム→米独立リーグ)
待遇面の不満から、部下4人を引き連れて7年間勤めた会社を辞め、2006年に独立。「人材は宝」という言葉を胸に、「株式会社AIRECサービス」を立ち上げた。そして、まず最初に全ての従業員がきちんと稼げるよう知恵を絞った。
■「安い給料でコキ使われた」から編み出した独自の雇用体系
「付いてきてくれた4人には、それぞれ個人事業主になってもらいました。僕が家電量販店のエディオンさんから受注した仕事を、彼らに委託する。僕の取り分は10%で、彼らは90%と決めた。僕は社員時代に安くコキ使われてきたので、従業員も儲かるようにしたい。だからこの割合です」
たとえば、エディオンから2万円のエアコン設置案件を受けたとする。南氏の取り分は2000円で、残りの1万8000円が委託先の実入りになる。元受けと委託先の取り分が50%-50%という契約が当たり前とされる業界で、異例の配分とも言える。
自分の取り分を極端に削った南氏はさらに、委託先を増やすため、驚きの仕組みを編み出した。