W-TK株式会社社長 山本徹矢(3)起業準備の人脈づくりに奔走して本業を「クビ」に

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 入社当初からディレクターへの昇進を目指していた。プロ野球で一軍を経験して引退するのと、二軍で終わるのとでは、その後の人生に大きく影響することを、身をもって感じていたからこそ、昇進の期限を3年に設定した。しかし、タイムリミットまで残り1年を切ろうとしていた頃、ふと周囲を見渡すと、現実の厳しさに気付いた。

「自分よりもはるかに優秀な3年目の先輩ADですら、昇進見込みがゼロだったのです。今の会社に見切りをつけるしかありませんでした。そこでNHKに目をつけた。NHKはADがおらず、全員がディレクターという方針を取っている。番組制作会社を紹介してくれた知人に頼み、NHKの関連会社に転職しました。給料が上がり、働き方もめちゃくちゃ楽になった。ただ、現場にはADがいないから副業はできず、設立したコンサル会社は畳むことになりましたけどね」

 新天地ではスタジオディレクターとして、出演者に欲しいコメントを促したり、尺(時間)を管理したりと番組進行をマネジメント。入社1年目は海外サッカー、2年目にはメジャーリーグの番組を担当した。

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