パリ市長がIOC支持から一転…「中立でもロシア参加反対」に心変わりの波紋
手の平を返した。
今月7日、仏パリのイダルゴ市長が来年のパリ五輪について、国内のラジオ局で「ウクライナに爆弾が降り注ぐ中、何事もなかったかのように(ロシアの)選手団がパリに来て行進することは考えられない」とコメント。ロシアのウクライナ侵攻が続く限り、ロシア選手団は大会に参加すべきでないと語った。
市長はこれまで、ロシアの参加について「中立」での出場を認めてきたIOC(国際オリンピック委員会)の立場を支持してきたが一転、参加反対を表明。米国は「中立」参加を支持する一方で、チェコなどの東欧諸国も反対の立場を示した。スウェーデンなど北欧5カ国が参加に反対する書簡をIOCに送付したことも、市長の心変わりの一因とされている。
パリ市長の発言を受け、IOCは8日に「ロシアとベラルーシの選手団としての参加や彼らの国旗を使わせる予定はない」と声明を発表。中立での出場が「考えられる唯一の選択肢」と改めて強調した。
一方、パリ五輪委員会は「最終的にはIOCの判断に委ねられる」とこれまでの立場を維持。フランス政府報道官は「まだIOCと正式に合意した見解はない」と明言を避け、パリは真っ二つに分裂している。