橋上秀樹(1)2013年大会の舞台裏「オランダのデータ集めではバレンティンに頭を下げました」
「オランダの選手に関しては、マイナーも含めて米国でプレーする選手が大半だったため、メジャーに多くの選手を輩出するオランダ領キュラソー出身のバレンティン(当時ヤクルト)の知恵を借りました。ブラジルについては、日系人の投手が社会人野球でプレーしており、そのチームに頼んで練習場に行ってブルペンでの投球練習を視察させてもらうこともありました。可能な限りツテは使いましたね」
■相手投手の球種、クイック、牽制のクセを重点研究
スコアラー陣と収集した情報はタブレット端末にまとめ、選手全員に配布された。今でこそ、タブレットを用いて対戦相手の攻略につなげるのは珍しいことではないが、当時としては画期的だった。タブレットには各国の主要投手の動画や詳細なデータが収められた。
「タブレットは常時、閲覧できる状態だったので、選手各自が空いている時間にアクセスしていました。ミーティングは大会前に各国の大まかな情報に加え、登板が予想される先発、リリーフ投手に関する説明に費やし、当日はおさらいするという流れだった。特に球種の優先順位や割合、クイックのタイムや牽制のクセに関しては入念に説明しました」