日本ハム加藤豪将「アジャストできていない」と苦悩吐露…日米の野球、環境の違いを明かす
加藤豪将(日本ハム・28歳・内野手)
「日本でプレーすることになって、対応するために打撃フォームを大きく変えました。全然違うスポーツだと考えていますから」
日本ハムにドラフト3位で入団したルーキーの加藤豪将(メッツ3A)が“異国”に馴染もうと奮闘している。
日本人の両親のもと、米カリフォルニアで生まれた加藤は、3歳だった1998年から2000年7月まで神奈川県に住んだ以外は米国を拠点にしてきた。
高校卒業後、名門・UCLAへの進学が内定していたが、2013年ドラフトでヤンキースから2巡目(全体66番目)指名され、入団を決意。日本国籍を持つ選手がMLBドラフトで100番目以内に入ったのは史上初だった。
米球界では通算10年間在籍し、メジャーでは8試合に出場。マーリンズやパドレスなどを経て、今季から主戦場を日本に移した。
1月30日の自主トレ中に右手人さし指を骨折した影響でまだ守備には就けないが、練習や試合では豪快なフルスイングを披露。11日の紅白戦では、実戦初安打を含む3安打2打点をマークした。「逆輸入選手」である加藤に日米の野球や環境の違いなどについて聞いた。
■「何一つ、理想に足りていません」
──普段から「安打を狙うよりも理想のスイングを追い求めれば結果がついてくる」と言っている。
「練習のスイングはできていると思いますが、打席に立つ感覚、投手のボールの質、リリースしてからベースに来るまでの感覚など、正直、全部が違うなと。フォームを変えたところ? それは具体的には言えないです。人に知られたくないですから(笑)」
──打席に入るときは、自分の中でベストの脈拍になるよう、コントロールしているそうですね。
「打席に入るときは『I'm invincible』と言い聞かせています。日本語で『俺は無敵だ』という意味です。自分の中でこう唱えると、心拍数や感情をコントロールできる。米国で以前、体中にセンサーをつけて、自分の体がどんな言葉に反応するのかテストしたんですけど、この言葉が一番反応がよかった。感覚的にもビビッときて、何より体が勝手に反応した。こんな研究をしているのはメジャーでも僕くらいかもしれない。すべてのテクノロジーを使って自分を高めています」
──日米の野球の違いは? アジャストできてきましたか?
「いや、全然ダメです。何一つ、理想に足りていません。バットに当たっているとかは全然気にしないですが、スキルの面だけでなく、いろんな面で全然違う。試合や練習のやり方やルールもそう。使用球やストライクゾーンしかり、向こう(のマイナー)ではピッチクロックもあった。そういったズレは、パフォーマンスに大きく影響します」
──どのくらいの時間をかけて慣れていく?
「今はまだ、いつになるのかわからないですね。外国人選手に話を聞くと、『1年を通してプレーしてもまだ慣れない』という選手がたくさんいた。(同僚の)メンディー(アルカンタラ)にも話を聞きますが、他球団にもマイナーで一緒にプレーした知り合いがいます。日本の野球に慣れるのはすごく大変だと認識はしていましたが、もしかしたら予想以上に難しいかもしれません」