記者の電話取材に激怒した魁傑の矜持「私はベストを尽くしているのに…」
コロナ禍の間、多くの取材がリモートで行われてきた。大相撲も、記者が支度部屋に入れず、取組後の談話取材は初場所までリモートだった。
記者が親方や力士との個別のやりとりを、電話やメール、LINEですることが増えたのは、コロナのずっと前からだ。時代は変わる。記者側の変化だけでなく、相撲界も新しもの好きで、親方衆にタブレットを持たせて、もう10年以上になる。
40年あまり前、先輩から教わった心得のひとつが「相撲界では電話取材はご法度」だった。
記事は足で書けという戒めだけではない。この世界は警戒心が強い半面、いたずら好きも多い。携帯電話のない時代だから、部屋の電話にかけると、明らかに本人の声なのに「いません」と言われることがある。
本人のふりをして若い衆がいい加減なコメントをすることもあるから、怖くて書けないとも聞いた。