大谷翔平“凱旋試合”で2打席連続HRの衝撃! 膝つきながら2階席に運ぶ「技とパワーの秘密」
スプリングトレーニングの延長
「1打席目(空振り三振)はちょっと反応が悪いかなと思っていたんですけど、2打席目は修正しながらいい打席だったかなと思います。(3打席目の2本目の本塁打は)シンプルに甘い球を打とうかなと思って。ちょっと詰まりましたけど、力でなんとか運べてよかったです」とは試合後の本人。そして「今日も本戦ではないので、また気持ちを引き締めて臨みたい」と続けた。
まだ「強化試合」。本人が言うようにWBC本番ではない。山崎氏が指摘した通り、阪神の投手陣に、ぶつけてはいけないという意識が働くのは当然かもしれない。
そういえばダルビッシュ有(36=パドレス)はWBCに臨む大リーガーのスタンスに関して、「スプリングトレーニングの延長としかみんな思ってない」と言った。WBCが「スプリングトレーニングの延長」だとすれば、この日の阪神との強化試合は時期的にみても「スプリングトレーニング」。いわば調整期間だ。
大谷は打者としてこのスプリングトレーニングの成績がいい。21年は31打数17安打(打率.548)、5本塁打、22年は25打数7安打(同.280)、3本塁打、そして今年は5打数2安打(.400)。ここ3年で計61打数26安打(同.426)、8本塁打と打ちまくっている。
■警察が出動する騒ぎに
大谷がキャンプ地の米アリゾナからプライベートジェットで帰国してからというもの、テレビやスポーツマスコミは連日、その動向を大々的に報じている。いまや、日本中で大谷フィーバーが吹き荒れているといっても過言ではない。
どこで聞きつけたのか、名古屋の選手宿舎には300人ほどのファンが押し寄せ、警察が出動するなど大パニックになったほど。新幹線で大阪に移動する際の名古屋駅は騒然としていた。それだけに大阪の選手宿舎もピリピリムード。この日の京セラドーム大阪周辺も大騒ぎだった。グッズ売り場には長蛇の列ができて、1着5万円近くする大谷の侍ジャパンのユニホームが早々と売り切れに。大谷が打撃練習に登場すると、ファンは写真を撮るために最前列に移動。すると、いきなりスタンド最上段にぶち込んだから、スタンドはどよめいた。この日の連続本塁打で、そのフィーバーぶりに拍車がかかるのは想像に難くない。
調整段階の「スプリングトレーニング」で周囲の度肝を抜いたからといって、その「延長」のWBCで結果を出せるとは限らないが、二刀流がまずは打者として順調なスタートを切った――。