霧馬山のごぼう抜き初Vは先を越されそうな「大関候補」たちのカンフル剤になるか?
「うれしすぎてご飯が入らなかった」
一夜明け会見でそう言って笑顔を見せたのが、3月場所で賜杯を掴んだ霧馬山(26)だ。
大栄翔(29)との優勝争いを制し、12勝3敗で初優勝。ここ2場所は三役で計23勝、来場所10勝なら大関昇進は確実だ。
一方、霧馬山に先を越されそうな「大関候補」たちの心中はいかばかりか。
去年3月場所で初Vの若隆景(28)も、優勝当初はそう呼ばれていた。182センチ、132キロと軽量の部類だが、下から攻める力強い相撲が持ち味。ところが、ここ最近は対戦相手に相撲内容を覚えられてしまい、なかなか星を伸ばせない。今場所は終盤に右ヒザを痛め、7勝7敗1休だった。
負けん気の強い豊昇龍(23)は「横綱朝青龍の甥っ子」という血筋。次代の大関と期待されていたが、雑な相撲がアダとなり、多くの親方衆も「基礎を固めなきゃダメ」と苦言を呈している。
霧馬山に敗れた大栄翔も、2021年1月場所で初優勝した時は「大関昇進への足がかり」と注目されていたものだ。