大谷翔平は“MLB同調圧力”でヤンキース移籍へ…開場記念日にエ軍戦を組み込む思惑アリアリ
「ルースの建てた家」で存在感が際立った。
日本時間19日、敵地ニューヨークでのヤンキース戦の試合前、大谷翔平(28)は今季初めて屋外でフリー打撃を行い、サク越えを連発。異例の打撃練習が功を奏し、初回に先制4号2ランを放ってチームの連勝に貢献した。
ヤ軍の主砲で昨季、ア・リーグシーズン最多本塁打記録(61)を更新したジャッジへの強烈なライバル心からだろう。フリー打撃について聞かれた大谷は「飛ばす感覚というか、それは中(屋内)でできないので。今後もちょこちょこ入れたい」と飛距離を意識していると明かした。
現地18日は旧ヤンキースタジアムが1923年に開場してからちょうど100周年。100年前には二刀流の元祖ベーブ・ルースも本塁打を放っているだけに、ニューヨークの地元メディアは前日から当時の様子を再現する記事を掲載。大リーグ専門チャンネル「MLBネットワーク」は「オオタニVSジャッジ・ウイーク」と位置付けるなど、2人の顔合わせを大々的にあおった。
■コミッショナーの忖度
21世紀のルースといわれる大谷が祝砲とばかりに一発を放ったのは何やら因縁を感じさせるが、そもそもヤンキースタジアムの開場記念日に大谷のエンゼルス戦が組み込まれたのは決して偶然ではなさそうだ。
これまで以上に野球人気を高めたいMLBにとっていまや大谷は何より重要な存在だからだ。組織のトップであるロブ・マンフレッド・コミッショナー(64)が大谷への称賛を惜しまないことからもそれは十分にうかがえる。
かねて、大谷が偉業を達成するたびに「これまでになかったものを目撃した。卓越した才能の持ち主で、間違いなく唯一無二だ」と絶賛。英国・ロンドンで公式戦を実施するなど、大リーグの国際化に積極的な同氏は「北米出身以外の選手で偉大であり、なおかつメジャー最高の選手が存在するのであれば、我々のビジネスにおいて極めて重要なことだ。彼の存在価値の高さは言い尽くせない」と、海外展開に欠かせない存在だと断言している。
野球文化学会会長で名城大准教授・鈴村裕輔氏がこう言った。
「MLBは大谷をシンボル的な存在と位置付けているのです。旧ヤンキースタジアム開場100周年の記念日にエンゼルス戦の日程を組んだのも、ファンの関心の高さを考慮して興行面から検討した結果でしょう。大リーグの日程は毎年、8月上旬に発表されますが、今回のヤンキースタジアムでのエンゼルス戦はエンターテインメント性を重視したマンフレッド・コミッショナーの思惑が十分にうかがえます」