阪神岡田監督の人望が厚いワケ 後輩のゴルフクラブをジャイアント馬場におねだり
過去の阪神にも、期待のスラッガー候補生は何人もいた。たとえば平成以降だけでも萩原誠(大阪桐蔭)、中谷仁(智弁和歌山)、的場寛一(九州共立大)、桜井広大(PL学園)、高浜卓也(横浜)、中谷将大(福岡工大城東)、伊藤隼太(慶大)……。いずれもドラフト上位入団の才能あふれる人材だった。
◇ ◇ ◇
そのひとりに金子誠一(本田技研和光)がいた。身長191センチ、体重99キロ。恵まれた体格を持ち、長距離砲の期待を背負って入団した。
愛称は「和製カンセコ」。この時代のメジャー屈指の強打者、ホセ・カンセコにちなんだ。金子のユニホームの背中には「KANEKO」の文字。「N」と「E」の間にスペシャルの「S」を挿入すれば、カンセコに変身することでも話題となった。当時、関東エリアをカバーしていた今成泰章スカウトは「とにかく飛ばす。あのパワーは本当に魅力的だよ」と話していたものだ。
実は、現役時代の岡田監督も金子の潜在能力を買っていたひとり。練習熱心で実直な性格ということもあり、球場内外で金子の面倒をよくみていた。選手ロッカーでは気がついたことを助言し、食事の席でも打撃術などを伝授。現在も会食やゴルフを重ねる間柄だ。