松山英樹は全米プロ29位で終戦…日本人が本場メジャーでスコアメークに苦しむ根本原因
どうして本場メジャーになるとアンダーパーすら出せずに、ボロボロと崩れてしまうのか?
「かつて海外メジャーでは青木功、尾崎将司、丸山茂樹、伊沢利光、片山晋呉ら上位争いをする日本人選手も多かった。しかし、世界のパワーゴルフから日本だけ取り残されたのが大きな原因でしょう。タイガー・ウッズが出現した90年代後半から米ツアープロの飛距離がどんどん伸びていき、それに対応するようにドライバーショットの正確性が求められ、コース設定もタフになりツアーのレベルは上がっていった。わが国でも日本ゴルフツアー機構が発足した1999年には当時の島田幸作会長(故人)が“世界に通用する選手を育てる”という目標を掲げたが、いまでは試合数が減って、ツアー存続に必死で、日本人プロの技術を高める環境づくりまで手が回らない。本場メジャーで戦うようなマネジメントは国内では必要なく、ピン位置も厳しくなく、ラフを警戒する必要もない。世界のトッププロが集結するメジャーで対等に戦うには、国内でプレーしていてはダメだ、ということです」(評論家・宮崎紘一氏)
松山が21年に「マスターズ」に勝つまで米PGAツアーに本格参戦して8年もかかった。海外でもまれながら自ら技術を磨いて成長するしかメジャーでは活躍できないし、日本からのスポット参戦では予選通過が精いっぱいなのだ。