伯桜鵬がトップ勢の錦木を撃破!名古屋場所は相手に“予備知識なし”で優勝へ最大のチャンス
新入幕ながら快進撃が止まらない伯桜鵬(19)。21日は2敗で北勝富士と共に優勝争いのトップを走る錦木を内掛けで破り、10勝3敗。賜杯争いに食い込んでいる。
新入幕Vならば1914年夏場所の両国以来、109年ぶり。10代での優勝は92年初場所の貴花田(後の貴乃花)以来、31年ぶりの快挙となる。
出世に髪が追いつかず、髷がまだ結えないザンバラ髪の若者だが、相撲技術は一級品。師匠の宮城野親方(元横綱白鵬)も、「相撲をよく知っている」と舌を巻くほどだ。
11日目は大関経験者の高安、12日目は小結の阿炎と、強敵を次々に撃破。前評判にたがわぬ実力を見せつけている。
さる角界OBは「ある意味、今場所は最大のチャンス」と、こう続ける。
「伯桜鵬の欠点はパワー不足。それでも今場所、勝っているのは前頭17枚目の幕尻で対戦相手もそれなりという事情もあるが、何よりまだ『お客さん』だからです。私もそうだったが、大相撲では事前に新入幕や初顔合わせの力士の研究をする力士はほとんどいない。まず、一度当たった上で、『あいつはこういうタイプの力士だから……』と考えるのが普通です。その点、来場所以降の対戦相手は、『伯桜鵬は技術はあるけど立ち合いが弱い』という認識でかかってくるでしょう。今以上に後手、後手になりかねない。その意味では、相手が予備知識を持っていない今場所が優勝のチャンスなんです」