強行出場で4勝目…責任を一身に背負う霧島が待ち望む「新大関」の誕生
大関は横綱と並ぶ看板力士。その両肩にのしかかる責任は平幕の比ではない。
大関・霧島(27)は今、それを痛感しているのではないか。初日に右肋骨骨挫傷で休場を発表したものの、4日目から途中出場。18日は激戦の末に宇良を破り、4勝4敗2休。休場は黒星扱いなので、あと2敗で負け越し、来場所カド番になる。
初日、相撲協会に提出した診断書には「3週間の安静加療を要する見込み」とあった。それがわずか3日休んだだけで出場。角界内では心配する声が少なくなかった。
親方のひとりは「何とか勝ち越してカド番を回避したい、新大関としていきなり休むわけにもいかない、といった事情もあるだろうが……」と、こう続ける。
「今場所直前に大関貴景勝も休場。唯一の上位力士となった横綱照ノ富士も、2、3日目に連敗して4日目から休場となった。このままでは上位陣全員不在の危機--と思われた矢先、ちょうど横綱と入れ替わるように4日目から霧島が土俵に上がりましたからね。霧島は休場届を提出した時点で途中出場に言及していたが、果たして上位陣が一人でも残っていれば出場したかどうか。あるいは出るにしても、こんなに早く出たか。看板力士としての責任感が霧島の背中を押したのだろう」