“ブルドーザー”錦木が賜杯レース単独トップに浮上 大関とりに名乗り上げる好調の要因
こんなに強かったのか──と思う向きもあるだろうが、角界では「これくらいはやれる力はある」ともっぱらだ。
1敗をキープしている前頭筆頭の錦木が19日、2敗の遠藤を撃破。1敗で並んでいた北勝富士が敗れ、単独トップとなった。
角界OBは「これで大関とりの足がかりになった」と、こう続ける。
「大関の昇進目安は『三役で3場所33勝以上』だが、前頭筆頭と小結は本場所で対戦する力士がほぼ同じ。初日の大関霧島戦こそ不戦勝だったものの、横綱照ノ富士だけでなく、大関とりを目指す3関脇など、小結・琴ノ若以外の上位陣を総なめにした。その上で10勝とあれば、大関とりの起点と見なさない方がおかしいですよ」
目安はあくまで目安。同じ1勝でも平幕から得たものより、横綱大関から奪った星の方が価値があるのは当然だ。
錦木は2006年に伊勢ノ海部屋に中卒で入門し、十両昇進は15年。16年に新入幕を果たすも、幕内で2ケタ勝利は18年の2回だけ。いずれも10勝止まりだったが、今場所は何が変わったのか。