大谷翔平2度目の右肘手術成功と発表も…故障発覚から治療法が遅々として進まなかった裏側
エンゼルスは日本時間20日、大谷翔平(29)がロサンゼルス市内の「カーラン・ジョーブ・クリニック」で靱帯を損傷している右肘の手術を受けたと発表した。大谷が右肘にメスを入れるのは渡米1年目の2018年10月以来、今回で2度目になる。
大谷は自身のSNSに「早朝に手術を受け無事成功しました。不本意ながらシーズン途中でチームを離れることになりましたが残り試合のチームの勝利を祈りつつ、自分自身一日でも早くグラウンドに戻れるように頑張ります」とつづった。
■執刀医は2025年の二刀流復活に太鼓判
18年にも執刀したニール・エラトロッシュ医師は球団を通じて声明を発表。手術内容について「ショウヘイと検討し、最終的なプランは、問題点を修復し、健康な靱帯を補強する一方で、肘の寿命を考慮し生存可能な組織を追加することでした」と説明。「完全な回復を期待し、24年の開幕日には何の制限もなく打てるようになり、25年には投打両方をできるようになるでしょう」と、二刀流復活に太鼓判を押した。
球団は術後の状態について「ショウヘイは安静にしており、体調も良く、回復への道のりを歩むことに興奮している」と伝えた。
大谷は日本時間8月24日のレッズ戦で二回途中降板後に右肘内側側副靱帯損傷が発覚。その後は打者限定で出場を続けたが、今月5日に珍しく屋外でフリー打撃を行った際、今度は右脇腹を痛めて、17日に負傷者リスト(IL)入りし、今季を終えた。
大谷の代理人を務めるネズ・バレロ氏は5日の会見で「複数のセカンドオピニオンを求めている」と、多くの肘の専門医による診断を仰ぐと話していた。
患部の損傷が発覚してから、今回の執刀医であるエラトロッシュ氏の他、エ軍のチームドクターであるフランク・ペトリグリアーノ氏、パドレス・ダルビッシュ、ツインズ・前田を執刀したキース・メイスター氏ら複数の肘の権威による診察を受けたとみられる。
損傷した靱帯を修復するにはトミー・ジョン手術の他、人工の靱帯で補強するインターナル・ブレース法、腱の移植と同時に、人工の補強材を入れるハイブリッド手術、保存療法であるPRPなどの選択肢がある。大谷はこれらの中から総合的に判断して治療法、手術法を選択した。