立教「駅伝強化」の背景に青学に偏差値逆転された焦り…前監督が不倫騒動も2年連続出場権
ジャニーズの番組にも出演する原監督の巧みなメディア戦略
正月の箱根駅伝は世帯視聴率が25%から30%に迫る年もあることから、大学スポーツの中でも宣伝効果が高いとされている。少子化の中、学生集めのために有力な外国人留学生をスカウトするなど駅伝を強化する大学が少なくないのはそのためだ。
近年、青学は駅伝強豪校になっただけでなく、スポーツ番組や情報番組のコメンテーターを務めるほか、ジャニーズのバラエティー番組にも出演し、企業の講演会などにも引っ張りだこの原監督の明るいキャラクターも知名度を上げる一助になっている。今年5月には投資被害を告白したことが話題になるなど、駅伝以外でも何かと注目を集めている。
大学ジャーナリストの石渡嶺司氏によると、近年の青学人気は駅伝効果だけではないという。
「例えば、06年の第82回大会で初優勝した亜細亜大学の場合、その年の出願倍率が上がらなかったように単年優勝だけでは当然、入試に効果をもたらしません。青学の場合、連続優勝で年々認知度が上がっていく中で、原監督の采配に注目が集まりましたが、志願者数や偏差値への影響は13年に文系学部のキャンパスが渋谷に集約されたことも大きく作用しています」
その効果が数字に表れ始めたのが、2010年代後半とのこと。
「河合塾の入試難易度ランキングを見ると、04年の文学部日本文学科、経済学部、法学部の偏差値は、立教が青学より2~3ポイント上でした。ところが、23年では、経済は青学が立教を2.5ポイント上回り、日本文学科、法学部は並んでいます。青学は21年度から一般入試を刷新し、複数の科目を組み合わせた総合問題を導入したことでやや敬遠されましたが、これがなければもっと差が開いていたのではないでしょうか」(石渡氏)
箱根の感動の裏で、ライバル校同士の熾烈な争いが繰り広げられている。