【ボートレース】寺田千恵選手(中)5艇身差を逆転した「女子王座決定戦の思い出」
デビュー後すぐにA級に昇格するなど早くから頭角を現した若き日の寺田千恵選手。しかし、女子王座決定戦を勝ったのはデビュー17年目のことだった。「無冠の女王」といわれ続けた寺田選手の思いは……。
デビューは89年、当時福岡支部に所属していたこともあり若松ボートレース場でした。子どもの頃から親しんでいたところだったのでここでデビューできたのはうれしかったですね。
その時、私のエンジンがあまりにもパワー不足だったのを整備士さんが可哀想に思ったのか「持ってこい、見てやる」っていってくれたんですよ。当時は新人の子が整備することはあまりなかったので遠慮していたら「いいから持ってこい」といってアドバイスしてくれました。すると日に日にパワーが出るようになって5着を3回続けた後の5走目に初1着。6号艇でスタートは遅れたもののターンマークを回るのは得意でしたからちょこっと差してバックストレッチで抜いたら勝っちゃった。昔も今もデビューして1年以上勝てない子が珍しくないことを考えると5走目の初1着というのは上々の滑り出しだったといえるでしょうね。