明治大・村田賢一はミステリアスな「さじ加減」が持ち味 握りを変え、左足の着地を変える巧者
時には、渾身の140キロ台後半で打者を差し込んでおいて、お得意のさじ加減で、前にのめらせて、スイングを崩して、凡打の山を築く。守るバックの協力が絶対に必要なタイプだから、高精度な守備陣を持つチームで投げられたら持ち味は一層生きるだろう。
中学までは千葉県で育ったから、「千葉ロッテ」に好意を抱いているのだが、どこであろうと選んでくれた球団で全力を尽くす。
そんなことはないだろうが、万が一、「投」で行き詰まっても、バッティングだって東京六大学の右打者なら、ドラフト上位候補の広瀬隆太(内野手=慶応義塾大)の次はこの選手。それぐらいの長打力と実戦力ありとみている。
その時は……ね? と話を向けたら、「いえ! 自分はあくまでもピッチャーですから!」。
ピンチのマウンドみたいな怖い顔で、キッパリと否定されてしまった。
▽村田賢一(むらた・けんいち) 静岡県生まれ。春日部共栄高時代は3年春のセンバツで1回戦敗退。明大1年秋に公式戦デビュー。右肘の故障もあったが、3年時は春夏で8勝を挙げ、明治神宮大会Vに貢献。最速150キロ。右投げ右打ち。181センチ、90キロ。