<65>札幌五輪招致はなくなったけど…スポーツで世界がひとつになることを願う
そんな中、このコラムでも取り上げてきた2030年札幌五輪招致は断念という結果に。正確には2038年、もしくはその先に延期するようだが、先のことすぎてピンと来ない。その頃には、私はもう還暦を過ぎている。
事務局の人から「スピードスケートの“顔”としてまたご尽力ください」と言われ、思わず「延期するのはいいけど、私の年齢も延期しちゃうからどうなるか分かりませんよ」と返した。「いつまでもお願いします」と言ってきた人は私より年上だった。
■「反対」というより「無関心」
五輪招致は最後まで機運が高まらなかった。明確に「反対」というより、「関心がない」という市民が多かったように思う。「無関心は最大の罪」というが、世界では戦争が起き、みな「スポーツどころではない」というのが本音かもしれない。
東京五輪の汚職事件の影響も大きい。スポンサーがいなければイベントは成り立たない。大きなお金が動く以上、スポーツと政治を完全に切り離すのは困難。それでもせめて国民が疑念を抱く部分は、すべてクリーンにしてほしい。