巨人3日で2件の超速トレード、オリ近藤大亮も獲得…“勝利厳命”阿部新監督は「勝ってから育てる」の現実路線
まさに電光石火である。巨人は8日、オリックスから金銭トレードで近藤大亮(32)を獲得したことを発表した。
2日前の6日にはウォーカーとソフトバンクの高橋礼、泉の1対2のトレードが発表されたばかり。わずか3日で2件目の成立という異例の積極補強で、阿部慎之助監督(44)が就任したチームの陣容を整えている。
近藤は快速球が武器の中継ぎ右腕。2017年から3年連続で50試合以上に登板した。20年9月に右肘のトミー・ジョン手術を受け、同年オフに育成契約。リハビリを経て昨年4月に支配下に復帰したものの、今季は12試合で0勝1敗、防御率5.11に終わっていた。
■救援防御率はリーグワースト
巨人の今季のチーム防御率はリーグ5位の3.39。救援防御率は同ワーストの3.81に終わり、投手陣の整備は最重要課題だ。トレードで早くも3人の“即戦力投手”を獲得した巨人は、先月のドラフトでは中大の西舘勇陽(4年=花巻東)を1位指名。こちらもショートアームから最速155キロの直球と多彩な変化球を投げ込む「完成度はアマチュアナンバーワン」の呼び声高い右腕である。さらに2位以下も全て「即戦力」の社会人選手を指名。支配下の高校生ゼロという異例のドラフトとなっていた。
さるチーム関係者がこう明かす。
「阿部監督がドラフト前に出演した日本テレビ系のスポーツ番組で、高橋由伸元監督から質問され、『先発でも中継ぎでも取れるものだったら何人でも欲しい』とキッパリ。FA補強についても、オリックス山崎福、DeNA石田、日本ハム加藤貴、楽天松井裕など主なFA投手を挙げられると、『全員取れるんだったら欲しいですけどね』と答えた。経験の浅かった由伸監督が3年間勝てずに苦しんだのは『サポート不足』と言われるだけに、球団も今度ばかりは、1年目の阿部監督の意向に沿うように必死に動いている印象です」