巨人ドラ1西舘勇陽は中学時代「三刀流」 クロカンスキーは全国大会出場の実力の持ち主
西舘勇陽(巨人1位・投手・中央大・21歳)
岩手県の北に位置する一戸町。大自然に囲まれたこの土地で、3兄弟の末っ子として兄の背中を追いかけた。
町立一戸中では軟式野球部、特設スキー部、特設駅伝部の全てに所属する「三刀流」。この3つの部で監督、部長として西舘を指導した、現九戸中の市橋晴美教諭がこう証言する。
「勇陽が中1の時にスキーのクロスカントリー競技で全中(全国大会)に出たんです。野球は緊張する方ですけど、1番スタートなのに緊張しなかったって。県は9位通過。全中は100人くらいの中で54位だったかな。1年生が3年生の中に交じってだから快挙です。クロスカントリースキーの時は勇陽のお父さんのサポートが本当にありがたかった」
■役場勤務の父は腕利きのワックスマン
西舘の父・満弥さん(51)は役場に勤務しながら、週末は息子たちの部活を献身的にサポートした。特に「ワックスマン」としての腕は確かだった。市橋教諭が続ける。
「クロスカントリースキーは『何億通り』といわれる、板にワックスをかける作業が重労働なんです。お父さんは学生時代はバレーボールとクロスカントリースキーをされていたそうです。経験者で腕がいいので、全面的に部員のワックスがけをお願いしていました。駅伝の練習の際にはタイムを計ってくれたり、それでいて、こちらの方針には一切口を出さない。物静かだけど頼りになるお父さんでした」