ソフトバンク1位・前田悠伍は滋賀のスポーツ一家に生まれたストイック少年
そう言って笑う孝博さんは、前田にも野球を志してほしかった。しかし、サッカーに“浮気”されかけたこともあった。
「少年野球を始めて少し経った頃、『サッカーをやりたい』と。幼稚園からの友達がサッカーをやっていて、自分もやりたくなったようです。練習は1回だけ参加しましたが、僕はサッカーのことは何もわからない。だから、新しくグラブを買ってやって、モノで釣りました(笑)」
中学時代は地元の湖北ボーイズに入団。同チームの加納得太郎代表は「当時はそれほど凄い子とは思わなかった」と、こう続ける。
「ウチのOBに巨人の横川がいますが、彼の方が凄かったですよ。中1で180センチくらいありましたから。ただ、前田は気持ちで投げるタイプで根性もあった。ストイックで、多少のことではへこたれない。自分がやるべきことを一人で黙々とやれるのも強みです」
■コロナ期間中は自宅で毎日4時間トレーニング
顕著だったのがコロナ禍でチームの活動が制限された2020年。加納代表が当時を振り返る。