美ノ海が克服した実弟・木崎海「負傷引退」のトラウマ 17年ぶりの琉球幕内力士に
美ノ海義久(30歳・木瀬部屋・前頭15枚目)
無念にも道半ばで引退した弟の分まで、出世できるか。
沖縄の相撲一家に生まれ、物心ついたときから土俵に慣れ親しんだ。幼少期から中部農林高で監督を務めるおじに鍛えられると、相撲留学した鳥取城北では、3年時に、沖縄県勢として初めてのインターハイ個人優勝。進学した日大では、もうひとりのおじが監督を務めており、ここでも親族に鍛えられた。
大学卒業後はプロになる気はなく、しばらくアルバイト生活。木瀬親方にスカウトされた時も当初は渋っていたが、「奨学金を返さなきゃいけないので、3年で給料が出る関取になれなければ引退する」と決めて、入門した。
プラン通り、入門3年目の2018年に十両に昇進するも、1場所で幕下に陥落。再起をかけ、20年1月場所で十両に復帰したが、悲劇が起きた。
「同じ木瀬部屋に所属していた実弟、木崎海が取組中に土俵下に転落し、首を負傷。このケガの影響で木崎海は引退した。美ノ海は以前から『幕内でやれる実力はある』と評価が高かったが、弟のケガがトラウマになり、相撲が消極的になってしまった」(タニマチ筋)