“台風の目”熱海富士がV争いトップタイ! 11月場所盛り上げる「理詰め相撲」にある課題
優勝戦線のトップを走る1敗の一山本が負け、2敗力士が4人となった11月場所。その中のひとりが先場所、優勝争いを盛り上げた熱海富士(21)だ。
今場所は初日から5連勝。6、7日目に連敗を喫したものの、8日目から再び連勝を続けている。
先場所は千秋楽、11勝4敗で大関貴景勝との優勝決定戦で敗れた。大関がまさかの立ち合い変化で“逃げた”とあっては、熱海富士の無念もひとしおだったろう。
若手親方のひとりは「今場所もここまで勝つとは……」と、こう続ける。
「熱海富士は去年11月場所が新入幕だったが、ただガムシャラにやるだけで4勝11敗。それが返り入幕の先場所では『理詰めの相撲』をひっさげ、好成績を上げた。体の寄せ方、まわしの切り方などの技術が理にかなっており、決して無理はしない相撲です。こうなると、対戦相手も“新顔”を研究するものだが、熱海富士は、さらにその上を行っている」
問題は、今後当たるだろう上位陣との対戦だ。
「先場所は朝乃山、大栄翔、本割での貴景勝に力負けしたように、前に出る圧力のある相手には苦戦しがち。そのあたりにどう立ち向かうかが見ものですよ」(同)
9月場所の無念を晴らせるか。