パワハラ安楽智大を“クビ”で一件落着とはいかない…楽天イーグルス病巣の根深さ
風通しのいい組織になれるのか?
実際、球団の管理体制に対する否定的な声は少なくない。
森井社長は今後、選手とヒアリングや面談の機会を定期的に設けるとしたものの、「楽天は野村、星野監督時代の正捕手だった嶋基宏が球団上層部の現場介入に反発したことで自由契約となり、ヤクルト移籍を強いられた。モノ言えば唇寒しで、選手に限らず、フロントも下の人間は上の顔色を窺いがち。安楽の一件を教訓に、風通しがいい組織になればいいですが…」 とは、チーム関係者だ。
選手のモチベーションを懸念する向きもある。
「三木谷オーナーはコロナ禍の際に、選手の年俸削減を提言したでしょう? 昨オフ、4年契約の2年目を終えた島内が契約更改後の記者会見で不満を漏らしたように、田中将大や浅村栄斗ら一部の“外様”が高給を貰う反面、生え抜きが割を食っているのです。プロ野球選手会が今年発表した待遇の満足度アンケートは12球団ワーストの24.19%。それなりに戦力があっても優勝できないのは、そうした球団の体制が影響していると漏らす選手、スタッフは少なくない」(同)
安楽のパワハラを巡っては、今季限りでフロント入りした石井一久監督の監督責任も問われてしかるべきだが、「他に火の粉が降りかからないように、安楽を事実上のクビにすることで早急に幕引きを図りたいのでしょう」とは、前出の球団OB。病巣は根深いようだ。