「野球と暴力」の著者に聞く 安楽パワハラ問題と高校野球強豪校“勝利至上主義”の関係
先輩のマー君はなぜ止めなかった?
──というと?
「長期間にわたってパワハラ行為が続いていたというのに、なぜ今発覚したのか。ロッカールームでイジメのような行為があったそうですが、みんなが見ているわけでしょう。実際、社長の会見によれば、40人が知っていたと。田中将大、則本昂大、岸孝之とか実績十分の先輩もいる。安楽はマー君を慕っていたという報道もありますが、他の先輩、監督、コーチ、球団職員にしても、誰かが『いい加減にしろよ』といさめたり、止められなかったのか。不思議でなりません」
──少なくても球団の耳には入る。
「例えば裏方さんが見ていて、安楽には言えなかったとしても『あいつがこんなことやってます』とか『あいつヤバイですよ』と球団に報告はいくはず。それを球団が放置したのか、あるいは報告さえ届いていなかったのか。楽天という球団は自浄作用がないのかと思ってしまいます」
──被害を受けた選手も声を上げたはず。
「今回は複数の選手が契約更改の席で声を上げたから発覚したわけですけど、今どき、被害を受けた選手は我慢したり隠したりしないでしょう。もっと前に訴えていたはずです」
──球団にも問題がある。
「気が付かなかったとしたら問題だし、知っていたのに放置していたのだとしたら、もっと問題です」