元“年俸120円Jリーガー”の格闘家・安彦考真が2024年に描く「未来予想図」
元年俸120円Jリーガーで、2020年末に格闘家へ転向して丸3年が経過した安彦考真(45)。「職業は挑戦者」と自称する彼は、11月19日に開催された新格闘技イベント「FIGHT CLUB」に出場。前口太尊との対戦で2R残り10秒に右肩を脱臼。残念ながらTKO負けを喫したが、肩が外れた状態で「まだ、できるよ」と絶叫するほど、凄まじい気迫と闘争心を前面に押し出した。
「脱臼しても試合続行しようとしたのは、『魂の叫び』だったのかなと思います。自分のチャレンジはこのままじゃ終われない。僕の生きざまを多くの人に見てもらい、勇気や元気を与え続けたいんです」と彼は改めて強調。2024年以降も格闘技に軸足を置いて、挑戦を続ける考えだ。
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――格闘家転身から3年が経過します。2023年の取り組みを振り返ると?
「一番大きいのは、小比類巻道場をやめたことですね。2021年から元K-1王者の小比類巻貴之会長のジムで練習し、試合にも出させてもらいましたけど、小比類巻さんに甘えている自分に気づいた。『挑戦者』であるはずが、『格闘家』になっていたんです。自分は年俸120円Jリーガーをやったように、本物の挑戦者じゃないとダメ。そのためには1から出直す必要があると思ったんです」
――古巣のYSCC横浜所属になったんですよね?
「YSCCにキックボクシングチームを新設する提案を持ち掛け、そこに僕が選手として入る形になりました。YSCCは貧困や差別と向き合う姿勢、いじめなどの青少年育成に対して真摯な姿勢を示していて、地道な活動を続けています。その信念には僕自身がサッカー選手として在籍していた頃から感銘を受けていましたが、格闘技を通してもできることが少なくない。僕の方からアクションを起こし、11月11月に正式発表という形になりました。前口選手との『FIGHT CLUB』の一戦は所属変更後の初陣だった。Jリーガー時代につけていた『背番号41』を背負ってリングに立つことも実現したんで、どうしても勝ちたかったんですよね」
――YSCCではどのような活動を?
「地域の人たちにキックボクシングを体験してもらって老化防止や健康増進を図ったり、不登校やいじめなどに悩む青少年たちの健全な精神育成にも寄与すべく動き出しています。Jクラブがキックボクシングクラブを持ったら社会貢献範囲も確実に広がる。そうなっていくように仕向けていきたいと思っています」