新入幕・大の里「10日目 関脇戦」の裏に相撲協会の“苦い思い出”…番付より賜杯争い優先
なぜ、小細工に走ってしまったのか……。
「数十年に1人の大器」と期待され、関脇琴ノ若(26)と並んでトップの1敗をキープしていた大の里(23)。
23日はその両者が激突した──が、結果は大の里の完敗だった。ここまで強烈な当たりで相手をはね飛ばす立ち合いだったが、この日はもろ手突きを選択。中途半端な突きで脇がガラ空きになり、何もできないまま寄り切られた。
今場所新入幕の大の里は前頭15枚目。それが優勝争いのトップタイとはいえ、10日目にして早くも関脇戦である。
さるベテラン親方は「今は番付よりも、優勝争い優先です」と、こう続ける。
「相撲協会にとって、苦い思い出が2020年1月場所、徳勝龍の幕尻優勝です。徳勝龍は番付通り、十両や平幕にだけ勝って、さっさと優勝を決めてしまった。結局、千秋楽だけ割を崩して大関貴景勝をぶつけたものの、どっちらけでしたからね。それならば、今回のように早くから番付上位で好調な力士を対戦させた方がファンも納得する」