サブローだけじゃない 担当外でも独自のコネクションで情報入手、青田買いに動いた逸材
98年ドラフトで横浜が5位指名した金城龍彦(現・巨人コーチ)も鈴木が近大付属高時代に指名したかった選手だ。
「最終的には住友金属へ就職しましたけど、94年のドラフト下位で指名しようと考え、両親にも会ってお話をしました。1学年上の松井稼頭央と同じ投手で、1年生から試合に出て、足が速くてパンチ力もある。投手としても球が速い。稼頭央を彷彿とさせ、キラリと光るものがあったんです」
JR九州から2006年ドラフトの希望枠でオリックス入りし、2年目の08年に15勝3敗という好成績で新人王を獲得した小松聖(現・オリックススカウト)も、国士舘大学4年時の03年に目に留まった。
「担当外の選手でしたが、当時の西武監督だった(伊原)春樹に、『今年なら契約金1000万円で取れる』と伝えました。結局、その年はどこも手を挙げませんでした。なぜ、推せたかというと、国士舘の監督がのちにDeNAでスカウトをやった武居邦生で、彼から小松の話を聞いていたんです」
06年、オリックスが希望枠で指名。契約金は1億5000万円だから、10分の1以下で新人王投手を取れたことになる。鈴木の目は正しかったわけだ。
鈴木が指名した逸材の中には、今も現役でプレーする選手がいる。兵庫・伊丹北高から00年に5位指名した中島裕之(宏之=現・中日)はそのひとりだ。