「100年ぶりパリ開催」の意義をIOCはどう考えるか アインシュタインとフロイトが導き出した戦争終焉の解
ウクライナ戦争に終わりが見えない今、92年前の問いはいまだに有効である。
■バッハ会長の呼びかけも…
パリ五輪が実現すべきは「オリンピック休戦」である。しかし、IOCはパリ五輪を最もインクルーシブで最もサステナブルな大会として国連が推奨するSDGsを実現する優等生ぶりに胸を張るばかりだ。
パリ五輪休戦決議は昨年11月、第78次国連総会で採択されている。五輪開催7日前からパラリンピック閉会7日後までの期間、加盟国に全紛争の休戦を求める。バッハ会長は4月15日にギリシャのオリンピアで五輪休戦宣言の署名式に参列。「平和や相互理解の実現を政治家や軍の高官に任すべきではない。決定権を持つ彼らを平和的解決へと導くため、みんなが役割を担っている」と呼びかけたが、それにはまずはIOC自らが必死に汗をかかねばならない。
今、オリンピックの存在意義も問われているのだ。