名馬タイトルホルダー生産者・岡田スタッド代表の岡田牧雄氏が明かす「凱旋門賞」参戦の舞台裏
今週の中央競馬GⅠは上半期を締めくくる宝塚記念で、2年前のこのレースを制したのがタイトルホルダーだ。勝ち時計2分9秒7はコースレコード。菊花賞、天皇賞・春に続く3つ目のGⅠタイトルを獲得したことから、その年の秋は凱旋門賞に参戦した。世界の頂点を目指す決断の裏には、紆余曲折があった。生産した岡田スタッド代表の岡田牧雄氏に聞いた。
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2018年2月10日に岡田スタッドで生まれた牡馬のタイトルホルダーは、母メーヴェとの離乳を終えて育成が行われると、デビュー前から異彩を放っていた。
「中期育成で夜間放牧に出すと、まったくへこたれずにヘッチャラという感じでした。並の馬だと数日でどこか痛いところが出てくるけど、そんなことはなく平然としていたから走るだろうなという手ごたえがあった。それが確信に変わったのが本格的なトレーニングを行うようになってからです。2歳春になってウチの坂路を2本追ってもケロッとしていて、まったく息が上がらない。心肺機能がズバぬけていました。こんな馬は初めてでしたが、母メーヴェから長距離適性を受け継いだのでしょう。2歳3月の時点でスタッフとは、『菊花賞と翌年の天皇賞・春を絶対に取る』と誓い合っていたんです」