オリックス一筋の岸田護新監督に期待される「慣れ」でたるんだ選手を動かす資質
「今年は勝てなかったですけど、中嶋監督もおっしゃっていた“慣れ”という部分が選手に限らずあったと。中嶋さんに任せておけば何とかなるという空気があったように思います。もう一度、一丸となって、同じ方向を向いて戦うことがスタートだと思う」
オリックスの岸田護新監督(43)が11日、大阪市内で行われた就任会見でこう言った。
4連覇を狙った今季は借金14の5位。中嶋前監督は退任した理由に「慣れ」を挙げた。最低限の全力疾走など、やって当然のことを選手がやらなくなった。クチを酸っぱくして言っても、選手は動かない。笛吹けど踊らぬ現状が決定打になって退任を決意したのだ。
ならば岸田監督になって、選手は動くようになるのか。
履正社(大阪)、東北福祉大、NTT西日本を経て2005年のドラフト3位で入団。以降、引退後は投手コーチを務めてオリックス一筋。球団が阪急からオリックスになってから生え抜きが監督になるのは初めてだ。
「19年の引退セレモニーには、二軍の選手や関係者はもちろん、元チームメートの阪神・西勇輝や日本ハム・金子千尋まで駆け付けたほど。静かな親分肌で、オレがオレがの目立ちたがり屋ではありません。人望があって、みなから愛された選手です。現役時代は先発、中継ぎ、抑えと経験豊富で、コーチになって以降は〝岸田さんの言うことだから聞いておこう〟という選手が多い」(オリックスOB)