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田尻一郎元ソフトバンクホークス広報

1967年、福岡県出身。86年ドラフト外で南海ホークスに入団。88年に引退し、98年まで打撃投手。その後は、一軍と二軍のマネジャー、広報などを歴任した。2023年オフに退団。一軍出場なし。

《松中信彦の巻》死球覚悟でないと抑えられなかった平成の三冠王

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 というのも、松中は社会人の新日鉄君津出身。当時の社会人野球金属バットが使われており、松中もその打ち方が染み付いていた。フルスイングしても、僕ら打撃投手のボールですら、アンツーカーの手前くらいで打球が落ちてしまう。

 その後も打ち方を克服して一軍に上がったら、今度はフォーク攻めに苦戦。登録と抹消を繰り返し、一軍に本格的に定着したのは入団3年目の99年でした。

 そんな松中と小久保裕紀がテレビ局の企画で、バッティング技術の取材を受けた時の話です。

 取材の合間、小久保が話題に出したのが「打球をつまらせてホームラン」。小久保が「極端にグリップの上あたりにボールが乗ると、重く感じるでしょ?」と聞いてきたので、僕が「なるほど、わかる」と言うと、「それを芯あたりでやるんです」と小久保。「え? わざと?」と驚く僕に、小久保はこう言いました。

「ボールの芯とバットの芯が当たったら、ボールがパーンと離れるでしょ? でも、芯をわざとずらすと、ボールがバットに乗った感覚がある。だから自分でスピンをかけられるし、打球の角度を調節できる。コンマ何秒の世界ですけど」

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