大谷は左肩関節唇の手術を逡巡せず! 回り道してでもベストを追求する「強靭メンタル」の証し
何よりも睡眠を重要視、NYでも出歩かず
右肘靱帯の修復手術をすれば、リハビリに1年以上、要する。かなりの回り道になるが、それでも自身にとって最大のパフォーマンスを発揮したい。患部の周囲の筋肉を鍛えたり、保存療法を選択する選手は多いけれども、ベストなパフォーマンスを発揮できる状態でなければ、技術は向上しないし、自身も納得できないというのだ。
実際、最初の右肘手術から3年後の21年に投手として9勝、打者として46本塁打で最初のMVPを獲得。2度目の手術の翌年の今季は、新天地のドジャースで2年連続本塁打王や前代未聞の「50(54本塁打)-50(59盗塁)」を達成。手術のリハビリをしながらも、野手としてチームのワールドシリーズ制覇に大きく貢献した。手術によって回り道をしても、年を追うごとに技術的に進化、優れたパフォーマンスを発揮している。
食事は自らの嗜好を満たすためでなく、体づくりの一環としてとらえている。そして、何よりも睡眠を重要視している。楽しみが多いニューヨーク遠征だろうが球場と宿舎の往復だけで、外はほとんど出歩かない。そういったグラウンド外のスタンスも、すべてベストな状態で最良のパフォーマンスを発揮したいという思考の延長線上にあるのだ。
迎える来季。想定外の左肩脱臼とその後の手術によって、投球プログラムは中断を余儀なくされた。投手としての復帰は遅れそうなものの、あくまでもベストの投球をするため。最良のパフォーマンスを発揮するためなら回り道も辞さず、体にメスを入れることもいとわない。
大谷がメジャーでトップクラスの成績を残せるのは、その強靱なメンタルがあればこそなのだ。