ワールドシリーズに勝ったドジャース、負けたヤンキースの「決定的差異」
今さら言うまでもないが、今年のワールドシリーズを制したのはドジャース、敗れたのはヤンキースだ。
両リーグ、しかも東西を代表する人気チームの対戦、大谷対ジャッジという超スーパースターの激突で、いやが上にも盛り上がること必至。実際、ここ数年は見られなかったほどの注目を集めたシリーズであったことは事実だ。
しかし、その盛り上がりゆえ、勝ったドジャース以上に全米中、また大谷効果でチャンネルを合わせたであろうたくさんの日本のメジャーリーグファンに、それこそあまりにみっともない負け方をさらしてしまったヤンキースの方が印象に残るのではないか。
両チームのワールドシリーズにおける主なスタッツを見ると、数字的にはほぼ互角だった。
【ドジャース】打率.206、本塁打7本、得点25、防御率4.80
【ヤンキース】打率.212、本塁打9本、得点24、防御率3.83
ワールドシリーズともなれば、お互いデータ分析を駆使し、相手チームのことをとことんまで研究しあって臨む。しかし、勝敗を決したのは打球の初速でも角度でも投球の回転数でもなく、ましてや相手投手、打者の傾向分析など今どき、当たり前のデータとは何の関係もない野球の基礎、つまり当たり前のプレーを当たり前にこなせるかどうかという野球に対する“スタンス”だったと言っても過言ではない。単純にヤンキースは野球がヘタクソだったのだ。