ドジャースの「ウイニングカルチャー」はGMが現場に落とし込んでいる
ワールドシリーズに敗れたヤンキースに当たり前のことを選手に落とし込めるコミュニケーターがいないなら、勝ったドジャースにはいたのか。
ドジャースの編成責任者はアンドリュー・フリードマンである。大谷がドジャースとの契約にフリードマン編成本部長がチームを去ることになったら、自分の契約も破棄できるという項目を入れたくらいだ。彼の頭脳がいかにドジャースにとって欠かせないものであるかは自明である。
その頭脳にはスカウト能力、育成能力、データ分析能力、そして日々のゲームでの戦略、プレーの仕方、戦い方、全てが含まれ、それらが選手個々に伝えられ理解されることによって「ウイニングカルチャー」としてチームに浸透してゆく。
この「ウイニングカルチャー」こそ、彼がドジャースに来た2015年以降、10年連続のプレーオフ進出を可能にした。
「ウイニングカルチャー」を選手たちに継続して落とし込むコミュニケーターとして大きな役割を果たしているのはGMのブランドン・ゴームズだろう。
ゴームズは2011年から2015年まで、リリーフ投手としてタンパベイ・レイズでプレーした(当時のレイズの編成本部長はドジャースに転身する前のフリードマン)。その後はドジャースで主に選手育成畑を歩み、2022年にGMに就任している。レイズ、ドジャースとフリードマンのもとでキャリアを積み、お互い気心の知れた関係だ。