ドジャースの「ウイニングカルチャー」はGMが現場に落とし込んでいる
元選手だけに監督、コーチ、選手といった現場とのコミュニケーション能力にも秀でている。フロントと現場をつなぐ橋渡し的な役割を担う人材としては最適だ。フリードマンが彼をGMに起用したのは、まさにこのような役割を期待してのことに違いない(ゴームズの前、2019年から3年間、ドジャースには専任としてのGMは不在だった)。
こうしたフロントと現場のコミュニケーションによる風通しの良さこそが、「ウイニングカルチャー」を生み出すのであり、ヤンキースとのワールドシリーズで見られた、隙あらば次の塁を貪欲に狙う姿勢、正しい守備、送球、全力走塁など、チームが勝つためにすべき当たり前のプレーを当たり前にこなす、といった姿勢に表れる。
ただでさえ大谷、ベッツ、フリーマンのMVPトリオ、さらにカーショーらの大投手を擁するのがドジャース。一流の選手が一流のデータを与えられれば活躍するのは当たり前、そして一流の選手が正しいプレーをすれば勝つのは当たり前だ。ケガなどで誰かが欠けたとしても、このカルチャーはしっかりと代わりの選手に引き継がれる。コミュニケーションも一流なのだ。
シーズン途中ドジャースに加入したトミー・エドマンがシームレス(継ぎ目のない)にチームに溶け込み、後半戦とプレーオフで活躍したのもチームのコミュニケーション能力による部分が大きいはずだ。 =つづく
(米紙コラムニスト=ビリー・デービス)