《最終回》80歳になっても「こんなプレーは教わっていない」と言わせない野球を伝えたい
日本高野連への要望も書く。甲子園大会限定でホームベース上だけでもいいから、ビデオ判定を導入するべきだ。誤審が目立つ昨今、これは選手、審判、双方のためである。
あまり論じたくないが、最後は今秋の神奈川、関東、明治神宮大会を制した母校で古巣の横浜に触れておく。注目は1年生投手の織田翔希だ。常時140キロ台後半の球威、それ以上にコントロールがいい。決め球のチェンジアップも良く、1年秋の段階で比べると、後に「平成の怪物」といわれた先輩の松坂大輔よりはるかに上。ドラフト1位級の逸材だ。2年生エース左腕の奥村頼人も好投手。打線が弱いが、左右の二枚看板をうまく使うことができれば、来春のセンバツでは全国制覇を狙えるチーム力がある。
80歳になったら高校野球界から足を洗おうと思っていた。ただ、幸か不幸かオファーはまだある。体が動く限り、来年もどこかのグラウンドで指導するのだろうか……。
読者のみなさま、13年半の間「鬼シリーズ」をご愛読いただき、ありがとうございました。またお会いしましょう!(おわり)