【巨人編】田中将大の復活を後押しする「菅野式」、坂本勇人は休ませながら併用プラン
大勢はマルティネスに宣戦布告
巨人の補強で最も大きな上積みは、昨季のセーブ王で中日の守護神だったライデル・マルティネス(28)を4年総額50億円といわれる超大型契約で獲得できたこと。阿部監督はマルティネスを抑えに据え、昨季までのクローザー大勢(25)を七、八回のセットアッパーに配置転換すると明言している。そんな大勢に話を聞くと、「今季はセットアッパー」というチーム方針は受け入れた上で、こう言っていた。
「でも、本当は九回がいい。抑えの座を取り戻して、来年のWBCでは日本代表の抑えをやりたいんです!」
マルティネス対大勢のハイレベルな守護神争いで、リリーフ陣の層がより厚くなるのは間違いない。
19年目の坂本勇人(36)はどう使うのか。昨季は自己ワーストの打率.238。首脳陣によれば、若い頃よりスイングスピードが落ちているという。
最新機器を駆使して巨人でもさまざまな選手のデータを取っているが、例えば今キャンプで「いい時に戻りつつある」と好数値をマークした坂本のスイングスピードが、翌日にガタ落ちしたことがあったという。つまり、疲労がパフォーマンスに直結する年齢になったということだろう。ベテランになると誰もが通る「衰え」といえるもので、数値だけでいえば売り出し中の中山礼都(22)のスイングスピードの方が速いことが多いそうだ。ただ、中山は内野守備の評価がいまひとつだった。内野手ではさらに、2年目の泉口友汰(25)や新人の荒巻悠(23=上武大)の評判が良かった。阿部監督は坂本が全試合出られるとは思っておらず、三塁は若手との併用になりそうだ。
戦力的にリーグ連覇は当たり前。12年を最後に遠ざかる日本一奪回のための大補強は奏功するだろうか……。