「星を賣る店」クラフト・エヴィング商會著
かと思うと、このタイトルで小説が書けると直感して古書市で入手したという「電氣ホテル」のパンフレットや、表題を本書に拝借したというイナガキタルホ(稲垣足穂)の短編集「星を賣る店」(実はユニット名も足穂の文章に出てくるある人物の名からとったそうだ)など実物も交じる。
そんな虚と実の境界を行き来しながら、見る者を惑わし、作品世界へと迷い込ませる。東京・世田谷文学館で同名展覧会も開催中(3/30まで)。(平凡社 2200円)