「チェンジ!認知症」日本農業新聞取材班著
日本の老人性認知症患者は280万人を超え、65歳以上の4人に1人が認知症または認知症予備群といわれている。本書では、全国の各地域で始まっている、認知症支援の実態をリポートしている。
福井県若狭町では、認知症を学び早期発見を促すためのグループ活動が盛んに行われている。町内7カ所で月1回程度、ご近所さんが集まって体調を報告しあったり、認知症の悩みを打ち明けあったり、脳を鍛えるゲームなどを行う。鳥取県琴浦町では、無料の認知症検査を毎年1回実施し、早期発見につなげている。
自宅で認知症の患者をみるためのひと工夫も紹介。本書を読めば、もはや認知症を恥ずかしく感じたり、隠さなければならない病気ではなくなったことが分かってくる。
(こぶし書房 900円)