「高血圧はほっとくのが一番」松本光正著
2000年まで、高血圧の基準値は上が180だった。ところがこれがどんどん下がり、2008年以降は上が130を超えると高血圧症とされ、降圧剤が処方されるようになった。
高血圧のリスクを説く画期的な科学的根拠が発表されたわけでもないのに、ただひたすら基準値を下げた背景にあるのは、製薬会社と医師の癒着による“患者増やし”をおいてほかにないと本書。何しろ、かつて高血圧患者2000人を対象に厚生労働省が行った調査では、降圧剤を使用した人とそうでない人の間に、脳卒中の発症や死亡率の差が表れなかったという。
さらに、日本で一番売れている降圧剤について、データを改ざんしたインチキ論文が発表されていることも明らかにしていく。
(講談社 840円)