「中国食品工場のブラックホール」福島香織著
今夏、日本にまでその影響が波及した米国食品会社上海現地法人による賞味期限切れ肉使用事件。この事件の背景に迫りながら、近年、厳しい法律と欧米から導入した管理システムで日本以上といわれる中国の食品工場が抱える闇を探るリポート。
問題発覚の発端となった報道番組を検証しながら、不自然にも見えるこの潜入取材が可能になった理由を推測。さらに、現政権の意向を重視したテレビ局による外資バッシング報道の一環である可能性を解説する。その他、記憶に新しい毒ギョーザ事件など、過去の中国食品事件も取り上げながら、中国で食品安全問題が後を絶たないのはなぜか、その真相に迫る。
(扶桑社 760円)