「『最後の恋』に彷徨う男たち」亀山早苗氏
著者は、近頃“アラフィフ”の男性たちから「恋がしたい」という言葉を頻繁に聞くようになったという。
「女遊びがしたいとか、若いオネーチャンをモノにしたいという話ではなく、頬を染めながら、“恋がしたい……”という感じ。考えてみれば男性の50歳というのは微妙なお年頃なんですね。社会でも家庭でも、ひと仕事終えて劇的な変化はなくなります。かといって、高齢化の日本では老い支度するには早すぎます。そんなとき、ふと人生でやり残したことに思いを馳せると、出てくる答えが“恋”なのではないでしょうか」
本書には、著者が実際にインタビューしてきたアラフィフ男性たちの、赤裸々な恋模様がつづられている。
「婚外恋愛をしている女性の場合、すべてを打ち明けている女友達が必ずと言っていいほどいるものです。しかし、男性で男友達に話しているという人はまずいません。プライドなのか、妻を裏切っている“悪事”を話すことの抵抗感なのかは分かりませんが、ひとりで心にしまっているんです。だから、私のような者に出会うと堰を切ったように話し出す。話しながら涙を流す男性も少なくありませんでした」